【業務災害】業務で怪我や病気になったときの労災は? 業務災害についてわかりやすく解説

労働者災害補償保険法
記事でわかること
・仕事でケガをしたときに、どこまでが業務災害として認めてくれるのか
・仕事で病気になったときに、どこまでが業務災害として認めてくれるのか

  前回は通勤災害について取り上げたが、今回は業務災害について取り上げる。業務災害の場合は、事故による怪我だけでなく、病気が業務に起因することもあるので、どこからが業務災害の認定基準となるか、怪我の場合と病気の場合について把握しておく必要があり、今回はそれぞれのケースについて説明する。

業務災害の範囲

 業務災害の条件は、労働者が事業主の支配下にあること(業務遂行性)で、業務における危険が発生して(業務起因性)、怪我や病気になってしまったときに認定される

①負傷の認定

 まず、負傷について。業務作業中はもちろんのこと、作業中断中や準備、後始末中などに起きたときも認められるが、これ以外に下記のケースでも業務災害の条件に該当する。

memo 業務災害が認められる主なケース

例えば、休憩時間のとき(職場近くのゲーセンで遊んだりなど積極的な私的行為はNG)や、仕事場の施設を使っているとき(※)、自然災害によるものであるとき、出張時やレクレーション行事に参加しているとき、他人の故意による暴行のとき(明らかに業務に起因しないものはNG)なども業務災害に該当する。
※仕事場の施設を使っているとき…給食による食中毒、通路の不完全による労働者の墜落死など

②疾病の認定
 負傷による業務災害は上記で述べたが、疾病の場合は労働基準法施行規則別表第1の2に掲げる10種類の症状に該当することが条件である。

 つまり、風邪や熱ぐらいでは、業務起因性と業務遂行性があったとしても業務災害に認定されない。

10種類の症状の中で、過労死などの原因にもなる脳・心臓疾患(表の8)と精神障害(表の9)については、どんなときが業務関連性がるのか判別しづらい。そのため、それぞれどのような基準で業務と関係するのか、労災法では以下のように決めている。

・脳・心臓疾患の認定基準 

 脳・心臓疾患は、以下3つのいずれかが条件となっている。

1. 異常なできごとが発生した(目安:発症直前から前日)
2. 短期間の過重業務をした(目安:発症前の1週間
…判断基準:長時間労働の状況や休日確保の確認
3. 長期間の過重業務をした(期間:発症前の6ヶ月間
…判断基準:労働時間(例えば、発症前の1ヶ月に100h/月超or発症前の2~6ヶ月平均で80h/月超であれば、業務と発症の関連性は強いとされる)を目安に検証
・精神障害の認定基準 

 精神障害は、次のすべての条件を満たす時に認定される。

1. 厚生労働省が公表している対象症状を発病していること 
2. 対象症状を発病前おおむね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認めらること
3. 業務以外の心理的負荷により対象疾患を発病したとは認められないこと
 なお、⑵の業務による強い心理的負荷とは、具体的に下記のような例が挙げられる。

pickup 心理的負荷の具体例

・生死に関わり、永久労働不能となる後遺症を残す業務上の病気やケガなどを患ったこと。この際、6ヶ月を超えて症状が急変するほどの極度の苦痛も含まれる。

業務上で他人を死亡させた、もしくは生死に関わる重大なケガを負わせたこと。

・強姦やセクハラなどを受けたこと。

・発病直前の1ヶ月に160時間を超えるような、3週間に120時間を超えるような時間外労働を行ったこと。

以上、今回は業務災害について取り上げた。前回の通勤災害と重なる部分もあるので、セットで一緒に抑えておきたい分野である。

 

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