【給付通則】労災保険の共通の決まりごとについて紹介

労働者災害補償保険法
この記事でわかること
・年金給付はいつ支払われ、いつ終了するのか
・労働者の生死がわからないとき、どのように死亡を推定するのか
・未支給の保険給付はどうやって処理するのか

給付通則とは、労災保険において様々な場合に通じて適用される共通の決まりごとのことだ。年金給付における決まりや労働者が死亡したときの扱い、未支給の保険給付があるときのケースについて触れる。

年金給付の通則について

年金給付の支払期間

 年金の保険給付は、毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月の偶数月に、それぞれの前月分まで支払われる仕組みになっている。

 ただ、例えば支払い月ではない月(1月や3月など奇数月)に権利が生じた場合においては、その月分はきちんと支払われることになっている。

定期報告書の提出

 年金給付の場合、定期報告書を所轄労働基準監督署長に提出することが定められている。なお、定期報告書の期限については、受給権者の生年月日が1月〜6月の場合は6月30日、7〜12月の場合は10月31日と決められている。(遺族補償年金については、受給権者ではなく死亡した被災労働者の生年月日が対象)

 また、この定期報告書の提出を怠ると、保険給付の支払差止となる。

死亡の推定

一般的なケース

 行方不明となった労働者の所在が1年間の間で明らかでない場合、民法の失踪宣告によって労働者は死亡したと推定され、労災保険の請求が可能でになる。

pickup 東日本大震災における特例

 民法の失踪宣告では、遺族は年金請求まで1年もかかってしまう。そこで、9年前の東日本大震災では行方不明となった労働者の遺族が早期に生活を再建できるよう、3か月で遺族補償給付など労災保険の請求ができる特例を盛り込んだ法律を施行した。
特別なケース(労働者が船や飛行機を使用していた場合)

 船舶が転覆したり、航空機の航空中に行方不明になった場合、3ヶ月以上わからないとき、または3か月以内に死亡が明らかになるものの死亡時期が推定できないとき、遺族(補償)給付、葬祭料、葬祭給付について、行方不明になった日を基準に労働者は死亡したと推定される。

未支給の保険給付

 未支給の保険給付とは、本来支給されるはずだった保険給付が支給できていない状態であることだ。

請求権者

 未支給の保険給付の具体例として、保険給付を受給している・受給できる人が死亡した場合が挙げられる。この場合は、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹であって、なおかつ死亡当時生計を同じくしていたものは、自己の名で請求することができる

受給権者の順位

 未支給の保険給付を受給する者の順位は、配偶者、子、父母、祖父母、兄弟姉妹の順序である。(遺族(補償)年金については、こちらの記事に記載している遺族年金の受給権者の優先順位に準ずる)。また、未支給の保険給付を受ける人が二人以上いる場合は、そのうちの1人が全員分を請求するとする。

その他の給付通則に関する特記事項

受給権保護

 受給権に関しては、受給権者の保護という意味もあって以下のような決まりがある。

1. 退職後の権利継続
2. 譲渡や差押の禁止
3. 給付金に対する公課の禁止
端数の処理

 保険給付の支払金額に一円未満の端数があるとき、これは四捨五入ではなく切り捨ての対象となる。

以上、今回は労災給付に関する様々な決まりごとについて取り上げた。

 

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