・特別支給金とはいったいなにか
・特別支給金はどんな種類があるのか
・特別支給金はどれくらいもらえてどのように申し込めばいいのか
これまで労働者が被災したときに、労災保険給付を受けるということについて述べてきたが、通常の場合はこの労災保険と一緒に特別支給金という支給金も受けることになる。今回は、その労災保険と一緒に受給する特別支給金と特別年金について説明する。
特別支給金について
特別支給金とは、前回述べた社会復帰促進等事業の被災労働者等援護事業の1つで労災保険の給付に上乗せして支給する年金である。
特別支給金には、通常の給与をベースに支給されるタイプと特別給与をベースに追加的に支給されるタイプの2種類がある。今回の前編では、定額支給されるタイプの特別支給金についてどんなものがあるのか説明していく。
特別支給金の支給額と申請方法
休業特別支給金
休業(補償)給付に上乗せして支給される休業特別支給金の支給条件と支給額は以下のようになる。
支給条件等 | 支給額 |
休業(補償)給付に同じ | 休業(補償)給付の20%分 |
また、休業特別支給金の場合、特別支給金の総額と事業主の証明を記載した届書を所轄労働基準監督署長に提出することが求められる。
傷病特別支給金
傷病(補償)年金に上乗せして支給される傷病特別支給金の支給条件と支給額は以下のようになる。
支給条件等 | 支給額 |
傷病(特別)支給金に同じ | 傷病等級1 114万円 傷病等級2 107万円 傷病等級3 100万円 |
障害特別支給金
障害(補償)給付に上乗せして支給される傷病特別支給金の支給条件と支給額は以下のようになる。
支給条件等 | 支給額 |
負傷または疾病が治ったとき、申請に基づいて行われる。 | こちら(厚生労働省)を参照 |
また、障害特別支給金については、以下のような特別なケースがる。
① 障害が複数あって併合繰り上げが行われたとき
複数の障害の合算額が、併給繰上げ後の障害等級の額に満たないとき、併給前の合算額が適用される。(仕組みとしては障害(補償)給付と一緒)
② 障害が重くなったとき、再発治癒後に悪化したとき、傷病特別支給金から障害特別支給金にシフトしたとき
差額支給が行われる。例えば、第11級の障害から第10級の障害に重くなったとき、10万円の差額が支給される。
遺族特別支給金
支給条件等 | 支給額 |
負傷または疾病が治ったとき、申請に基づいて行われる。 | 300万円 |
また、遺族(補償)年金と遺族特別支給金について、支給対象者が若干異なるので注意しておきたい(下記参照)。
労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹であり、年齢の制限や障害の有無、生計関係の有無などは関係ない。
・失権による受給権者、転給者は対象外
遺族(補償)年金を受ける人が全員いなくなって遺族(補償)一時金をもらうことになった人や、転給によって受給権者になった人は遺族補償特別支給金の対象外となる
特別年金について
特別給与の基準の決め方
通常の算定基礎日額が反映されないケース
② 通常の算定基礎年額または①を考慮して出された算定基礎額が150万円を超えるとき→算定基礎年額は150万円になる。
特別支給金に関する通則
支給額
申請手続き
申請期限
スライド
特別支給金と特別年金の違い
保険給付と特別支給金の比較
保険給付は対象だが、特別支給金の対象外になるもの | ・費用徴収 ・損害賠償との支給調整 ・社会保険との併給調整 ・譲渡・差押えの禁止 ・不服申立て |
共通して対象となるもの | ・支給制限・一時差止め ・端数処理・支払時期 ・内払・充当手当 ・未支給額の申請 ・公課の禁止 ・退職後の権利 ・死亡の推定 |

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